peri personal space

私のアレクサンダーの師である、キャシー・マデン先生が去年あたりからよく使っている言葉だが、わたしもこれは、para personal spaceだとおもっていたのが、じつはperiであったことが、きのうわかった。ぺリは、周辺のと言う意味である。私たちの周りのスペース。自分の考え方によって、伸びたり縮んだりするスペースのことだ。スポーツや武道のプロ、舞台に上がる人パフォーマーと呼ばれる人は、これを欲しいだけ伸ばして使うらしく、それが、観客全てと場外までに影響するという。逆に、「ひとりになりたい」「ほっておいて」と言う時は、縮めて肌につけておくのだろう。東洋的にいうと、気をつかっているので、「気を大きく持つ」とか「気が小さい」あるいは、「気が知れない」「気もそぞろ」とか、peri personal spaceをあらわしてるような言葉は、実に多い。
 産業革命以前の世界では、王様とか、お殿様、なんて種族が、立派な冠をかぶってのし歩いていたわけだが、たとえば冠をかぶるだけでも、人はだいぶ気を使って「ただの自分」でいる時よりも冠の分だけPPSをひろげておかないといけなかっただろう。宇野千代さんは、朝起きると、「衣冠束帯、衣冠束帯」と唱えて、きちんと身じまいをして仕事にかかると、自宅で仕事をしていても一日引き締まった気持ちでいられる、と書いておられたが、気持ちひとつでどうにでも変わる、これもPPSのよい例だと思う。